2007年10月28日

メルギブのこだわり

引越しやら何やら私事が多過ぎて思いっ切り更新が滞っていた。加えて鑑賞本数自体もだいぶ減っていた。

見た作品については劇場、DVD、テレビなどのメディアにかかわらず ONTV Movie というサイトで記録し、 簡単なコメントを付けている。テレビで録画するときなどに役立つからだ。この数ヶ月、5点満点で4点以上付けていた作品を抜き出してみた。 払ったお金(ほとんど割りチケorレイトショーですが)と費やした時間以上の価値があると判断したものだ。

「それでも生きる子供たちへ」
「アポカリプト」
「傷だらけの男たち」
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
「トランスフォーマー」
「プラネットテラーinグラインドハウス」
「デスプルーフinグラインドハウス」

Mmm、なんか色モンが多い気が…。
このうち5点を献上していたのは「トランスフォーマー」と「アポカリプト」。トランスフォーマーについては長期出張中だった北海道での鑑賞。 相当映画に飢えていた時期だったので割り引きが必要かも。特撮は期待通り。 主人公の家でロボット生命体たちが両親から必死に隠れようとするシーンでは大笑い。音楽の使い方も凝ってました。 ギークの主人公が学校一の美女をモノにしちゃうという、ダメ男の妄想満開定番ストーリイも大好きです。

アポカリプトは今年ここまでで”映画館で見てよかった作品”第一位。
メルギブは画の見せ方を本当に良く心得ていると思う。前作「パッション」もそうだったが、 彼の撮る作品の画面から伝わってくるライブ感や緊張感はただごとではない。作品内で使われているさっぱりわかんないマヤ語 (パッションではアラム語とラテン語だっけか)も相まって、歴史上の出来事というよりは、 どこか別の星で起きていることをリアルタイムで目の当たりにしている気分になってくるのだ。 見ているこちらは実際のマヤ時代を知らないわけだから、これをリアリティと呼ぶのは少々気が引ける。ハイパーリアル感(頭悪そう) とでも言おうか。この醍醐味は巨大スクリーンでなければ味わえまい。

時代考証がアステカとごっちゃになっているとか、ありえねえとか。多分そうなんだろう。けど私は全く気にならなかった。 というよりこれがマヤ文明の話であることを意識して見ていた人はほとんどいなかったと思う(メルギブ的には不満かもしれないが)。

「アポカリプト」を見ていて思うのは”徹底”することの重要性だ。監督の要望を聞き入れながら、限りある資源をどう配分するか。 それがプロデューサーの腕の見せ所だが、この映画では生々しく見せることに徹底的にこだわり抜いている。

プログラムによるとほぼ全編がフィルムと同じ受光面積のCCDを持つGenesisという新型のHDカメラ (レンタルでもかなり高額らしい)で撮影されており、 さらにポストプロダクションの段階で人為的に粒子を加えるなどのデジタル処理が行われたとか。終盤のヤマ場、 ジャングルでの人狩り大追跡シーンはあまり記憶にないアングル、構図の連続。 手持ち撮影が可能なGenesisの能力がいかんなく発揮されていたように思う。 例のピラミッドを生首が転げ落ちるシーンはスタントマンが実際に転げ落ち(!)、後で胴体を消していたそうだ。 相当な時間とカネがかかったろう。

米国内での興行で相当不利になると言われる字幕映画で、キャスティングもプロの俳優をほとんど使わない。そしてメーキャップ、 セットには有名スタッフを起用し決して手を抜かない。こういった製作者がリスクを取っていると一見してわかる作品は画面に力があるし、 当然に胸に迫ってくる。

マーケティングだけで映画を作っているテレビ屋が跳梁するこの国の映画界からは到底生まれようのない作品だ。



posted by tso-tsi at 03:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | cinema2007

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